2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

雅雲すくね「奉納の踊り」―連載〈蛸親爺〉第6回

『カットのみ二千円 親切丁寧』と床屋に出された看板を、着流しのお爺さんが腕を組んで見下ろしている。 商店には軒並に提燈が吊られ、祭囃子が晴れた空へ上がって、浴衣の小さい人が万灯を持って小刻みに駆けて行く。 店先には空の台が出され、脇に鉄板やガ…