2011-01-01から1年間の記事一覧

雅雲すくね「二つ並んだ蛸頭」―連載〈蛸親爺〉第3話

車の音が塊となって響き続ける大通り。銀杏並木の枝に烏がとまって一つなく。乗合バスの停留所に蛸が立つ。 蛸は頭に黒いネクタイを巻き、こめかみから垂らせている。 「たーこたーこ。たーこたーこ。来ねえバスだな。行き先違いのバスばかりだ。日曜日の四…

渡邉大輔「映像圏の「公共性」へ」―連載〈イメージの進行形〉最終回・前篇

2010年7月から断続的に続けてきた本連載は、筆者が2000年代の終わり頃から中心的な仕事として取り組み始めた映画/映像文化論のとりあえずの全体的な枠組みを描き上げることを目的とするものだった。そして、そこで掲げた問いとは、今日のグローバル資本主義…

雅雲すくね連載小説「蛸親爺」第1話、第2話を公開!

「WB」vol.24に掲載し、ひそかに熱く迎えられている雅雲すくね氏による小説「蛸親爺」が、Wasebun on Web上で連載開始! 初回の更新は、2話連続公開です。 ある日突然、蛸になってしまった中年男。これが少女で、イカになったのなら人気者になれたろうに……

玉川重機「草子ブックガイド 早稲田文学編」特別版、公開!

現在配布中の「早稲田文学フリーペーパーWB」vol.24に掲載している、玉川重機「草子ブックガイド 早稲田文学編」特別版を公開します。 今号は『草子ブックガイド』単行本第1巻刊行記念、4ページに増量してお届けします。単行本は、古本屋・青永遠屋(おと…

渡邉大輔氏登壇イベントのお知らせ

wasebun on webで「イメージの進行形」を連載中の渡邉大輔さんが司会として参加するイベントが今月行われます。第21回映画祭TAMA CINEMA FORUM(会期2011.11.19-11.27)の11月23日の上映会後のトークセッションです。「嘘の向こうの美ちなる方へ」として行わ…

about the charity for the East Japan Earthquake

On behalf of the East Japan earthquake that occurred on March 11th 2011, Waseda Bungaku has organized a charity project that has gathered free of charge, newly published stories by contemporary Japanese writers. These publications are issu…

渡邉大輔「フィルム・ノワールの現代性」―連載〈イメージの進行形〉第5回

今回はまず、新たな主題に入る前に、過去二回の映像=身体の問題系をめぐって、前回の最後につけ加えようと思いながらも、筆者の配分ミスで取りこぼしてしま�た一つの注目すべき論点をなるべく簡潔に補足しておきたいと思う。 行論を再度繰り返すならば、初…

「WB」vol.23ウェブ公開

早稲田文学4号刊行記念として、通常より早く「WB」vol.23(2011年6月発行)をウェブ公開します。 WB23ダウンロード(PDF[11.6MB])

西田亮介「ネットワークの記憶を紡ぐ」―連載〈方法としてのコミュニティ〉第3回

2011年3月11日、未曾有の大震災が東北を襲った。それから3カ月がたち、いまや歴史にその名を刻むことが確定的となった。いつしか首都圏では大きな余震も収まり、特番態勢もほぼ終息した。しかし最近になって次々に露呈する当初見積もりをはるかにこえる被害…

渡邉大輔「からだが/で観る映像史」―連載〈イメージの進行形〉第4回

前回、私たちは、現代の映像環境の歴史的帰趨を跡づけるために、映画史研究が注目する、いまから100年以上も前、「初期映画」と呼ばれる時代の映画の備える表象システムと、かたや「ポスト古典的」とも称される80年代以降の現代映画、そして、ニコニコ動画か…

チャリティ・コンテンツ 牧田真有子「合図」

書き下ろし短篇 「合図」(全27頁/本文26頁)の購入はこちら。 (早稲田文学編集室公式サイトhttp://www.bungaku.net/wasebun/charity2/manage/stdx.cgi) ※リンク先のページ上部にある「商品カテゴリー」の「書き下ろしコンテンツ」を選択、「移動」ボタン…

チャリティ・コンテンツ 中森明夫「東京トンガリキッズ2011」

書き下ろし短篇 「東京トンガリキッズ2011」(全32頁/本文31頁)の購入はこちら。 (早稲田文学編集室公式サイトhttp://www.bungaku.net/wasebun/charity2/manage/stdx.cgi) ※リンク先のページ上部にある「商品カテゴリー」の「書き下ろしコンテンツ」を選…

玉川重機「草子ブックガイド 早稲田文学編」第5回

▼「草子ブックガイド 早稲田文学編」第5回PDFをダウンロード 「草子ブックガイド」本編は、「モーニング」6月2日発売の27号、6月9日発売の28号に連続掲載!

チャリティ・コンテンツ 松田青子「マーガレットは植える」

書き下ろし短篇 「マーガレットは植える」(全15頁/本文13頁)の購入はこちら。 (早稲田文学編集室公式サイトhttp://www.bungaku.net/wasebun/charity2/manage/stdx.cgi) ※リンク先のページ上部にある「商品カテゴリー」の「書き下ろしコンテンツ」を選択…

チャリティ・コンテンツ 村田沙耶香「かぜのこいびと」

書き下ろし短篇 「かぜのこいびと」(全19頁/本文18頁)の購入はこちら。 (早稲田文学編集室公式サイトhttp://www.bungaku.net/wasebun/charity2/manage/stdx.cgi) ※リンク先のページ上部にある「商品カテゴリー」の「書き下ろしコンテンツ」を選択、「移…

チャリティ・コンテンツ 青木淳悟「西池袋特集〜亀が袋を背負って〜」

書き下ろし短篇 「西池袋特集〜亀が袋を背負って〜」(全15頁/本文13頁)の購入はこちら。 (早稲田文学編集室公式サイトhttp://www.bungaku.net/wasebun/charity2/manage/stdx.cgi) ※リンク先のページ上部にある「商品カテゴリー」の「書き下ろしコンテン…

「WB」vol.22ウェブ公開

「WB」vol.22(2011年3月発行)をウェブ公開します。 WB22ダウンロード(PDF[14.4MB]) from editor(WBvo.22) 巻頭の小説は、全国の乙女のみなさん待望の、赤染晶子さん「難破」。ある女性市議会議員と女子高生との交流を描く、抱腹絶倒かつ物悲しい…

「WB」vol.21ウェブ公開

「WB」vol.21(2010年11月発行)をウェブ公開します。 WB21ダウンロード(PDF[13.4MB])

新城カズマ「これは震災(だけ)ではない」―連載〈未来の読書とランデブー〉第05回

▼「「これは震災(だけ)ではない――もしくは「未来の電力と政府」が、否応無しにやって来た』」ダウンロード

岸本佐知子 + 都甲幸治対談

▼「無意識過剰な観察日記――リディア・デイヴィス『話の終わり』」ダウンロード

渡邉大輔「「映像圏」の考古学」―連載〈イメージの進行形〉第3回

この連載評論で筆者が考えているのは、情報化時代の映像論/映画論というべきものである。例えば、つい最近でも、「デジタル時代」の映画をテーマにした日本語の映画研究の書物がようやく目につくようになる一方、「ライズX」(昨年六月)、「シネマ・アン…

玉川重機「草子ブックガイド 早稲田文学編」第4回

▼「草子ブックガイド 早稲田文学編」第4回PDFをダウンロード

蓮實重彦+川上未映子対談

▼「始まる、始まる、始まる、――あたらしい書き手とことばに震えるために」ダウンロード

チャリティ書き下ろしコンテンツ 古川日出男「プーラが戻る」

東日本大震災チャリティーとして、サイン入りバックナンバーの販売についてはお知らせしましたが、賛同著者による書き下ろしのチャリティ・コンテンツを順次公開しました(当初はPDFファイルのみ。他のフォーマットにも後日拡張予定です)。 先頭を切って古…

渡邉大輔「Twitterの「ポジティヴィテ」

この連載が主に目指しているのは、私たちがいま、いかなるタイプの複製イメージ=映像の生育システムを手にしつつあるのかを探究することである。その検討にあたって、ひとまず本連載では、映像をめぐる近年の「情報化」や「モバイル化/ネットワーク化」の…

朝吹真理子+町田康「“わけのわからない”を読む」

第144回芥川龍之介賞を「きことわ」で受賞した朝吹真理子さんと、朝吹さんが高校生のころから「愛読している」という作家のひとり町田康さんとの対談「“わけのわからない”を読む」をウェブ公開しています。 PDFをダウンロード(PDF)