渡邉大輔「『イエローキッド』の言語ゲーム」

 真利子哲也(まりこ・てつや)の待望の長編監督デビュー作『イエローキッド』(〇九年)は、彼の東京藝術大学大学院映像研究科修了制作作品として製作され、すでに国内外の場で高い評価を受けている。この八一年生まれの若手作家についてはすでに簡単に触れたことがあるが、二〇〇〇年代(ゼロ年代)を通じてインディーズ系映画界でコンスタントに実績を積み上げてきた異色の俊英のメジャー初長編の成功をまずは心から祝福したい。
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from editor

インディーズ系映画界の俊英・真利子哲也による長編「イエローキッド」。映画作品とMAD動画がほとんど等価に流通するなか、その環境に自覚的な映画作家はいかに作品を作ったか。そして批評家はどう応えるか。