西田亮介「変容するコミュニティの性質とその前提条件」

『DOGTOWN & Z-BOYZ』という映画がある。一九七〇年代、それまで海で波乗りをしていたサーファーたちが、スケートボードの世界にラディカルなスタイルを持ち込みシーンを席巻する。「Z-BOYZ」と呼ばれた彼らは、ラディカルなスタイルだけではなく、サーフィンというカルチャーが持つ反体制、反権威といったアウトローな側面もスケートボードの世界に移植した。「DOGTOWN」と呼ばれる、顔見知りの人間以外の人間のコミットメントを強く排除しようとする「ローカルオンリー」の土地から始まったムーブメントが、瞬く間に全米、いや全世界に広がっていった。
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西田亮介さんの連載「方法としてのコミュニティ」第2回「変容するコミュニティの性質とその前提条件」。ケータイやネットの登場以後、ぼくたちのコミュニケーションも、属するところのコミュニティも大きく変わりました。ここでは、TwitterUSTREAMなどのウェブサービスに注目し、文化的/政治的コミュニティにひとが集まり離れていく、その前提条件じたいの変化を辿ります。
なかで、ブログが広まりつつあった2004年のことを振り返っていますが、月日の速さを感じるとともに、人がメディアに慣れる速度に驚きます。しかし、過去を懐かしんではいられない、という決然とした宣言としても読める今回の論考、ぜひお読みください。